


feature
Author: 「MINED&MIND」編集部
Photo: 三浦知也
Date: 2026 02/02







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Author: 「MINED&MIND」編集部
Photo: 三浦知也
Date: 2026 02/02
⛰️金山のカルチャーを支える人々の対談企画「MINE&MINE」がスタート。
「MINE&MINE」(=「私のもの」と「私のもの」がぶつかり合う!?)と題した対談シリーズ第一弾は、今年で55周年を迎える老舗喫茶「ブラジルコーヒー」と、メキシコとカリフォルニアの空気を纏うブリトーとタコスを中心としたカフェ「Callegera STAND GARAGE」(通称:カジェへラ)。
いずれも飲食店でありながら、ライブやDJパーティー、企画展なども行い、音楽やアートといったカルチャーを育んでいる場でもある。
そんな共通点を持つ2店は徒歩数分の距離にありながらも、これまで交流がなかったのだそう。それぞれの想いを語り合う初の機会が設けられた。
特別対談シリーズ「MINE&MINE」#①
写真左からレイ、はるちゃん、角田健太さん。
⛰️ライブもできる喫茶店。当たり前に音楽が溶け込む場を。
はるちゃん:角田さんは、いつ頃からお店に立たれているんですか?
角田:高校を出てすぐなので、もう26年くらいになります。祖父が始めて、父が継いで、自分が三代目です。今年で55周年を迎えます。
はるちゃん:すごい!そんな老舗なんですね!
角田:ちなみに、創業時の資料が何も残ってなくて、正しいOPEN日はわからないんだけどね(笑)。

はるちゃん:え(笑)。じゃあ、ブラジルコーヒーっていう店名の由来は?
角田:それも何も証拠は残ってないんだけど、当時、“銀ブラ”って言葉が流行ってたみたいで。銀座にも「ブラジルコーヒー」っていう喫茶店があったらしくて、祖父はそれに憧れてつけたんじゃないかな?と思ってます。おそらく(笑)。
ーなるほど(笑)。店を長年続けてきた中での変化ってありますか?
角田:いろいろあるけど、コーヒーの豆を自分の店で焙煎するようになりましたね。以前は仕入れていたんですが、ちゃんと勉強しようと思って、岐阜県瑞浪市の「待夢珈琲」で月に一度教わりに行ってました。今はお店に焙煎機を置いて、自分で焼いています。昔はミルクと砂糖を入れて飲むようないわゆる昔ながらの喫茶店の味だったんだけど、今は豆の個性をそのまま楽しめるようにしています。
ーブラジルコーヒーの特徴といえば、閉店後にライブイベントが行われていることですよね。
角田:ライブを始めたのは15年くらい前、僕が継いでからですね。自分もバンド活動しているし、TOKUZOさん(=今池のライブハウス兼居酒屋)でも働かせてもらった経験を活かして。最初は月1回くらいのペースでした。初めて音出しした時は、友達とやったんだけど、深夜だったので、さすがに隣に住んでいる人から怒られました(笑)。それ以来、苦情はないです。

ー駅前の喫茶店というロケーションで、ハードコアパンクのような爆音系のバンドのLIVEもやってるのがすごいですよね。
角田:だんだんいろんなバンドが気に入って使ってくれるようになっていったのは嬉しいことなんだけど、ベースアンプを冷蔵庫2個分くらい持ってくるバンドとかもいて。さすがに「うち、喫茶店なんだけど!」って思いました(笑)。あと、DMBQ(= BOREDOMSの増子真二がGt./Vo.を務める3ピース爆音バンド)がライブした時は、低音の振動で電球が切れたんです。ティッシュも振動でフワって飛ぶくらいの音量で(笑)。あれはびっくりしたけど、そういう“限界ギリギリ”の感じも含めて楽しいです。
一同:(笑)。
レイ:僕、2歳から18〜19歳くらいまでサンディエゴっていうLAとメキシコの間くらいの土地に住んでいたんですが、あっちってこういう場所でライブとか普通にやってて。なので、そういう意味では海外のような雰囲気を感じました。
角田:へ〜地元がサンディエゴか。すごいね。俺もアメリカ旅行に行ったとき、ニューオーリンズとかいろんな場所でライブを見たんだけど、どこ行っても、街の中に音楽がある感じというか。全然特別なことじゃない感じがすごく良くて。日常の中に音楽が溶け込んでる。そうありたいな、と。

ーお店としてのコンセプトはあるんですか?
角田:一応、「Truth is Choose(真実は選ぶもの)」っていう、キャッチコピーみたいな言葉はあります。
ーどういう意味合いなんでしょう?
角田:今って情報が多すぎて、何が正しいのか分からなくなるじゃないですか。正解がひとつじゃない世の中で、自分が何を選ぶかで世界が変わる、みたいな。だから「自分で選べよ」っていう、ちょっとしたメッセージですね。
ーただ、それを前面に押し出す感じではないですよね。
角田:全然ないです(笑)。「ありがとうございます」という感謝の気持ちだけです。
ここで一行は、ブラジルコーヒーを後にし、Callegera STAND GARAGEへ移動。
……と思いきや、せっかくの機会なので近所のオススメスポットを経由しつつ、遠回りして向かうことに。
こちらは角田さんのオススメスポット「ひまか島食堂 鈴河」。「最近は子供も生まれて、金山で飲みに行くことはあまりなくなってしまったんだけど、ここは好きだよ」(角田)。
レイくんのオススメは昨年OPENしたばかりのセレクトショップ「SING STORE」。「仲のいい後輩で、自分で絵も描いたりしているアーティストでもあるリョウマってやつの店です」(レイ)
店内には国内外のセレクトブランドや、オリジナルアイテムが並ぶ。至る所に飾られているアート作品の一部には、店主・リョウマさんの作品も。「今後は店内でアーティストたちの企画展もやっていきたいと思っています」(リョウマ)
だいぶ遠回りをしながら、ようやくCallegera STAND GARAGEに到着。
⛰️仲間たちが集い、積み上げた自分たちの店
ー先ほどの話の続きですが、レイくんたちはどんな経緯があって、Callegera STAND GARAGE(以下、カジェヘラ)で働くことになったんですか?
レイ:最初はガレットのお店だったんです。初代店長はダンサーでDJもやっているノリくんっていう方で、店内でダンスイベントもよくやっていて。彼に誘ってもらって、働くことになりました。
はるちゃん:私もダンスをやっていて。そういう現場でのつながりで入った子が多いですね。
角田:そもそも、このビルって昔何があったんだっけ?
レイ:一番最初は銀行だったらしいです。今も店の前に線が残ってるんですけど、それはもともと駐車場の線だったらしいんですよ。地元の人から「ここ銀行なかったっけ?」って言われることが今でもありますね。
2階に入っているお店が「Russeluno(ラッセルノ)」という名前の名古屋発のゴルフアパレルブランドで。東京や大阪、京都などにも展開していて、その会社がうちの店の経営母体でもあります。割と自由にやらせてもらってますね。
ー店名の由来は?
レイ:「Callejera(カジェヘラ)」ってスペイン語で、“ストリートの”という意味なんです。その言葉の通り、ストリートカルチャーの空気を感じられるような店になっていると思います。

ーお店のメニューについても改めて教えてください。
レイ:ブリトーがメインです。小麦粉の生地で具を包む料理で、サンディエゴやサンフランシスコでは定番です。日本ではあまり知られてなかったけど、最近やっとタコスと並んで広まり始めた感じです。

レイ:最初に関わってくれた方が、LAのシルバーレイクのカフェを意識して、この雰囲気を作ってくれました。その雰囲気も大事にしつつ、食だけでなく、音楽、ファッション、いろんな人が関係して、積み重なっていって、今の形に。メキシコとカリフォルニアの文化が混ざっていることを「メキシカリ」って言葉で表現するんですが、そんないろんなカルチャーが混ざったお店になっていると思います。
ー2025年の4月から店長さんが変わったんですよね?(新店長・かんたさんが登壇したMINED&MIND主催のトークイベントのレポート記事はこちら)
はるちゃん:そうですね。結構メンバーは入れ替わってはいるんですけど、辞めていった子たちも普通にお店に遊びに来てくれる関係で仲は良いです。今残っている中だと、レイと自分の2人だけが初期メンバーです。
角田:スタッフ同士、みんな仲が良さそうだよね。
レイ:店を離れたスタッフも、お互いのことを相談したり共有できる“家族”みたいな関係で。それがうちの店の一番の強みになってると思います。
ーでは、最後に金山の先輩から一言、「お店を続けていくための秘訣」を教えてください。
角田:やめなかったから、続いただけですよ(笑)。

(TEXT:武部敬俊、PHOTO:三浦知也)

