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Author: MINDED&MINDプロジェクトメンバー
Date: 2026 01/07







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Author: MINDED&MINDプロジェクトメンバー
Date: 2026 01/072025年11月16日から21日まで24 PILLARSにて開催された、数見亮平氏の個展「Instrumental Reading’s」を訪れた。本展は、架空のイベントフライヤーやポスターをモチーフにした絵画・版画を中心に構成された、遊び心と批評性に満ちた空間となっていた。

■空間の再構築とストリートの風
会場となった24PILLARSのモダンな店内に、オーダーメイド家具のDaLa木工が手がけた高さ2mほどの一見切りっぱなしで無造作に見える大型パネル8体が特設された風景は、きわめて印象的だった。
店内の洗練された空気と、未完成なストリート感が漂うパネルが対峙することで、空間には新しい緊張感が生まれた。それはあたかも、街角で無数にフライポスティングされた壁面が、モダンな店内にそのまま持ち込まれたかのようだった。
この空間の再構築は、ロンドンやNYCの倉庫街に突如としてUKガラージやブレイクビーツのクラブが出現したかのような、生々しいストリートカルチャーの風を店内に吹き込み、展示作品の持つ架空性と相まって、非常に新鮮な感覚を観る者に与えた。
■架空のデザインと手仕事のリアリティ
展示された作品群は、どこかで見たことがあるようで、しかし現実には存在しない「架空のイベント」のビジュアルで構成されていた。これらのイラストやロゴ、タイポグラフィーとそれらのコラージュは、一見するとDTPソフトで制作されたようでありながら、実は手描きや版画的な手法で表現されているものも混在しているという。
これは、デジタル化が進み、誰もが「綺麗すぎるデザイン」を生み出せる現代において、あえて手作業のノイズや揺らぎをデザインの根幹に戻すという、数見氏の明確な意思表示であろう。テクノロジーによる美の飽和への問いかけは、前回の井本幸太郎氏の個展にも通じる、現在のクリエイティブシーンが共有する重要な哲学だと感じる。
■深いコミュニティと連携の力
数見氏は、先に行われた井本幸太郎氏の個展のライブパフォーマンスにもvivian sui methodとして参加しており、この二つのイベントは相互に深く関連している。
私が会場を訪れた際、井本氏とご一緒した。数見氏は、井本氏が経営するショップのオープニングイベントでも共演するなど、長年の付き合いがあることを聞き、今回のイベントが単発の企画ではなく、クリエイター同士の深い信頼とコミュニティの連携によって成立していることを知った。
名古屋の文化芸術は、このような個々のクリエイターの「点」の活動が、信頼を基盤とした「線」の連携となることで、より強固なムーブメントへと発展していくと確信している。
この展示は、MINED&MINDが金山を起点に、文化芸術の活動を創出し、広げていくための重要な試みであった。
2025年11月16日〜21日
数見亮平個展「Instrumental Reading’s」
24PILLARS
