




金山の街のリサーチをして、ZINEを制作する市民参加型アートプロジェクト「かなやまじんくらぶ」。
まちのことを知るためにはそのまちを深く知る人に話を聞くのが一番!ということで、チームに分かれて金山のキーパーソンを尋ねてお話を聞いてきました。
※本インタビューは各チームがZINEとしてデザインしたものを一部編集し掲載しています※
▼「かなやまじんくらぶ」で制作したZINEのページ(ZINEの全ページはこちらからご覧いただけます)
取材日:2025年8月31日
取材メンバー:Yuka TAKASU、まどらす、Sara Imakubo、金森あかね、早川美香
金山駅南口広場で毎月開催される「にぎわいマルシェ」。通勤客、学生、競馬ファンなど、多様な人々が行き交うこの場所で、どのようにして“にぎわい”が生まれているのでしょうか。今回は、マルシェを運営する河合さんに、イベントを始めたきっかけから、金山ならではの魅力、そして未来への展望まで、その「ごちゃまぜ」な賑わいの税密に迫りました。
インタビュアー(以下「イ」):まず、にぎわいマルシェを始められたきっかけを教えていただけますか?
河合さん(以下「河」):実は、もともと別の人が始めたんです。私は以前、金山商店街で街コンなどのイベントを企画していて、その繋がりでマルシェを運営していた方と知り合いました。その方が続けられなくなったので、私が引き継ぐことになったんです。
イ:河合さんが引き継がれた頃はどのような状況だったのでしょうか?
河:マルシェを引き継いだ際、規模は徐々に縮小しており、出店者も4店舗にまで減っていました。その後、稗田さんと協力して少しずつ出店者を増やしていったことで、現在の賑わいを創り出すことができました。
イ:それは大変でしたね。なぜ減ってしまったんですか?
河:元の運営者が東京の方で、管理が行き届かなくなってしまったことが原因です。出店者さんもその方との関係で出店していた方が多かったので、「その人が来ないなら」と離れていってしまいました。そこから、また盛り返しているところです!
イ:どのようにして出店者を増やされたのですか?
河:営業というよりは、他のマルシェに足を運んで出店者さんに直接声をかけたり、「金山に来ませんか?」と誘ったりしました。ビアガーデンなど新しい企画も次々と試して、少しずつ規模を広げていったんです。
イ:占いや、紅茶ショップなどのユニークなお店が多いと聞きました。
河:そうなんです。金山は本当に占いが多い。これは独特だと思います。金山は通勤・通学、勤め人、学生、そして競馬場もあるので、本当に色々な人が行き交う場所です。悩みを抱えている人も多いので、占いの需要が非常に高いんですよ。
イ:同じお店が複数出ていることもありますか?
河:はい。同じ方が複数の店舗に入っていたりしますね。月に一度の開催なので、毎月来てくださる常連さんもいて、マルシェを楽しみながら占いをされる方が多いです。
金山では特にコンセプトを設けず、「来たい人は誰でも来てね」というごちゃまぜなスタンスでやっています。
イ:週によっては、テーマを設ける時もあるのですか?
河:そうですね。7月は自衛隊一緒にコラボイベントを企画しました。ビアガーデンをやっている時に、自衛隊の隊員さんや、偉い人がたまたま飲みに来ていて、話していたら「一緒に企画をやりましょう」ってなったんです。こんな感じで、お客さんやマルシェに来た人と話して、自然と新しいアイデアが生まれて、企画が始まることは結構ありますね。
イ:運営されていて、苦労することや難しいことはありますか?
河:今はあまりこういうこともないのですが、昔は酔っ払いがステージの前でたり暴れたりすることもありました。今は人が多いからそういうこともなくなってきました。
あとは、マンネリにならないように、出店者さんと協力したり、美術館の企画に合わせてイベントをしたりもします。例えば、バンクシーの展示があった時は、ストリートアートをテーマにした企画をやったり、自衛隊のイベント時には自衛隊のご飯を作ったりしました。
イ:ただイベントを運営するだけでなく、出店者さんや地域の出来事と一体になって楽しんでいるのが伝わってきますね。
河:みんなで何かを創り上げるような感じですね。イベントTシャツも僕たちだけでなく、出店者さんにも買ってもらい、一緒に着ています。ちょっと恥ずかしいですけど(笑)、それがお互いの絆を深めるきっかけになるんです。出店者さんからも「一緒に盛り上げましょう」というノリで、トークイベントやイルミネーションの企画が持ち上がったりします。
イ:今後、企画を運営するメンバーを増やしていく予定なのでしょうか?
河:そうですね。今は南口広場だけですが、もっと街全体でやれるといいなと思っています。金山はイベントで関わり始めてもう15年くらいいるので、もっと街ぐるみでやりたいですね。
イ:どんな人が集まってほしいですか?
河:一緒に楽しんでくれる人ですね。新しいアイデアを出してくれたり、「これやりたいです」と言ってくれる人がいいです。言われたことをやる人ではない方がいいかもしれないです。
金山を「楽しい場所」に
イ:最後に、これからイベントに来場される方や、今後メンバーとして加わりたいと考えている読者の方に向けて、メッセージをお願いします。
河:「金山で遊ぼう」という気持ちで、気軽に遊びに来てほしいですね。出店者さんにも楽しんでもらいたいですし、金山にお店を構えている方々も、マルシェを通じて新しい魅力を発してもらってもいい。
金山を「楽しい場所」にすることが、私たちの目標です。
8月の金山にぎわいマルシェに、運営ボランティアとして潜入してきました!
焼きそばやビール、かき氷、冷やしきゅうりといったお祭りの定番から、髪飾りや蝶のアクセサリー、編みぐるみ、北欧雑貨風のおしゃれなアイテム、八百屋さんやポエム、さらには占いまで。マルシェではあまり見かけない多彩なお店が並んでいて、「にぎわい」という言葉がまさにぴったりだと感じました。
出店者の常連さんが運営のテントを一緒に建てたり、アイスを配ったりする姿もあり、出店者同士の仲の良さが伝わってきます。
紅茶屋さんは紅茶愛がすごく、なんと大学選びまで紅茶が理由だったそう。その熱量に圧倒されました。
しかも編みぐるみのお店で買ったカチューシャを身につけていて、お店同士でコラボまで!蝶々アクセサリーのお店は4年ほど出店しているベテランで、新しい出店者への広告アドバイスや他のマルシェ情報まで教えてくれました。ステージでは、アイドルやシンガーソングライター、華やかなジェンダーフリーのパフォーマーなど、多彩なパフォーマンスが次々に登場。お客さんも個性豊かで、性別関係なく熱心に応援する人や、全身キティちゃんのおじさん、「今来たよ、遅れてごめん。でももう行くわ」と運営に謎の報告をする人までいて、とにかくユニークでした。
占いが多いのも金山の特徴と聞き、占いの吉田さんに見てもらいました。すると、全く知らなかった親の水子の存在を言いてられ、思わず鳥肌…。
さまざまな人が交差する総合駅・金山らしい多様さにあふれた、「にぎわい」そのもののイベントでした!